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生産技術研究所・岡部研究室の紹介

研究室名: 循環資源・材料プロセス工学研究室 (岡部研)

主催者: 教授 岡部 徹

在所期間: 2001年1月〜

1. 研究室の概要 (2009年1月時点)

 2001年1月に研究室を開設してから8年が経過し、実験設備の整備・拡充が進んだ。一貫して「未来材料:チタン・レアメタル」の看板を掲げ、レアメタルの新製造法やリサイクル技術の開発に関する研究を続けてきた。この間、レアメタルの新しい製造法を幾つか開発し、一連の研究成果や活動は、学術的にもまた産業界からも一定以上の評価を得た。

 チタンやニオブなどのレアメタルの製造プロセスの研究開発に関しては、世界最高の水準を維持しており、海外からも研究者や留学生が訪れるようになった。岡部が独自に考案し、その要素原理を完成した“プリフォーム還元法”は、電子材料用のレアメタル粉末の析出形態や不純物を効率良く制御できる新しい手法であり、量産にも適している。現在は、工業化を視野に入れた研究も行っている。

 数年前までは、レアメタルの重要性とその将来性については、一部の専門家にしか認識されていなかったが、最近は、テレビや新聞などでも “レアメタル”の話題が取り上げられ、社会的な関心が高まっている。マスコミにおけるレアメタルのブームに代表される社会的な注目度の増大と一般認識の変化についても、岡部研が発信する研究成果や各種活動の寄与は大きい。

 最近は、稀少で高価な白金族金属やジスプロシウムなど、資源セキュリティ上の問題が大きいレアメタルについて、新しいタイプの環境調和型のリサイクルプロセスの開発も行っている。また、スカンジウムやバナジウムなど、将来用途の拡大が期待されるマイナーなレアメタルの新規製造技術の開発も行っている。

 プロセス技術のイノベーションにより、チタンなど資源的に豊富でかつ種々の優れた性質を有するレアメタルを広く一般に普及させて社会に多大な貢献をすることを目指し、レアメタルの新規プロセスの開発に取り組んでいく。レアメタルのプロセス研究に関しては、世界のトップランナーとして多角的に研究を推進し、更なる発展を目指す予定である。

2. 現在の主な研究テーマ

3. その他

 主催者である岡部教授は、これまで、京大、MIT、東北大、東大と研究機関を転々としながら、チタンをはじめとするレアメタルの製造プロセスに関する研究を推進してきた。岡部研は、レアメタルの製造プロセスや環境技術の開発の研究に関しては常に世界をリードしており、最近は、環境調和型のレアメタルのリサイクルプロセスなど、新しい環境技術の開発に重点を置いている。岡部研が2002年から主催・運営している「レアメタル研究会」は、毎回、数十人以上の産官学関係者が集まる会合となり、日本のレアメタル研究の中心的な役割を担っている(これまでの研究会(計34回)の延べ参加者数:2000人以上)。現在、岡部研は、日本だけでなく世界におけるレアメタル研究の中心の一つとして機能しており、各種、人的な交流および情報発信を精力的に行っている。

(2009年1月時点)


過去の研究室紹介

1. 研究室名:

循環資源・材料プロセス工学研究室 (岡部研)

2. 連絡先:

東京大学生産技術研究所 Fw-301号室 (実験室・入り口は、Fw-302号室)
〒153-8505 東京都目黒区駒場4-6-1
Tel. 03-5452-6312 (岡部直通)  Tel. 03-5452-6314 (研究室)
Fax. 03-5452-6313 (研究室)   e-mail.
http://www.okabe.iis.u-tokyo.ac.jp/

岡部研への行き方[PDF File, 36KB]

3. 研究テーマとその内容:

 チタンやニオブなどのレアメタル素材の新しい製造プロセスの開発を目的とした研究を行っている。電子材料などからのレアメタルの回収を目的とした環境調和型プロセスの開発も行っている。 最近の研究テーマは次の通りである。

  1. チタンの新製造プロセスの開発
  2. 高付加価値無機素材の高効率回収プロセスの開発
  3. 電子材料用レアメタル粉末(Nb, Ta)の製造
  4. レアメタル(Nb, Ta, Sc, Nd, Sm…)の新しい製造プロセスの開発と高純度化
  5. 高温における窒化物・酸化物・塩化物とそれらの複合化合物の熱力学
  6. 窒素センサーおよび窒化物の新合成法の開発
  7. レアメタル(RE, Ta, PGM…)スクラップの再生

4. 研究指導面での特徴:

 該当研究分野における世界最高水準の研究を目指し、学生に対しても自主性・行動力を重視した研究指導を行っている。独創性と努力により問題の解決を試み、新しい発見・発明を目指した「夢とロマンのある研究」を行っている。

5. その他

岡部は、京大→MIT→東北大と転々とし、2001年1月から東大に赴任した。独創性を重んじたモノ作り研究に主眼を置いたレアメタルプロセスに関する研究を行っている。研究プロジェクトは、文部科学省科学研究費などの公的外部資金により研究を行っているが、素材メーカとも協力関係がある。レアメタルプロセスに関する基礎研究については常に世界水準の成果を上げており、MITなどの海外の研究者との連携も重視したGlobal wideな研究活動を行っている。最近、岡部研は、日本学術振興会の先端研究拠点事業(JSPS/Core-to-Core Program)に採択されたため、「アクティブメタルプロセス(Active Metal Processing)」の研究開発を推進し、国際的な研究連携を推進するとともに当該研究分野における世界の研究コアとなる先端研究拠点の整備を進めている。大学院生が海外の学会に参加したり、外国人と国際研究交流を行う機会が非常に多いのも岡部研の特徴の一つである。新規なレアメタル製造プロセスを開発し、ベンチャーを立ち上げることも今後の目標の一つとしている。